光学迷彩とはその名の通り物体を光学的にカモフラージュするための技術です. 拡張現実感における一般的な映像提示技術は,現実空間にバーチャル空間の映像を重畳させるいわば映像の「加算」です. 逆に現実空間の物体を視覚的に透明化,すなわち映像の「減算」を可能とする「光学迷彩(Optical Camouflage)」技術を用いることにより実空間内で邪魔な物体を視覚的に消去することが可能となります.
光学迷彩は,遮蔽物体に再帰性反射材を貼付した上で, 事前にもしくは実時間で撮影した背景映像をHMPで投影することによって実現します. 背景映像をリアルタイムにカメラで撮影し投影するシステムを構築する場合, カメラ画像をそのままプロジェクタより投影した場合は映像が大きくずれてしまうことにります. よって本手法では背景の簡単なモデルを作成し, プロジェクタの位置での視点映像をIBR(Image-based Rendering) によりリアルタイムに生成しています.